世界的なインフレや為替変動が進むなか、「税金対策として海外移住を検討する投資家」が増えています。所得税やキャピタルゲイン税が高い国では、せっかく得た利益も税金で目減りしてしまうため、近年はアジアやヨーロッパを中心に“低税率国家”が注目を集めています。今回は、投資家が移住先として検討すべき税金の安い海外の国5選を紹介します。
1. アラブ首長国連邦(UAE):所得税ゼロの投資天国
ドバイを中心とするUAEは、個人の所得税・キャピタルゲイン税がゼロ。
不動産投資、暗号資産、株式などの利益にも課税されません。さらに企業設立にかかる法人税もフリートレードゾーン内では非常に低く、実質0~9%程度。高級住宅地やインフラも整備されており、世界中の富裕層やクリプト投資家が集まる国です。
ただし、ビザ取得や長期滞在には一定の資産証明や居住日数の要件があります。
2. モナコ:ヨーロッパ随一のタックスヘイブン
フランスと地中海に囲まれたモナコは、個人所得税が存在しない数少ない欧州国家のひとつ。
世界中の資産家がモナコ居住者として登録しており、ヨーロッパ圏でありながら極めて有利な税制が整っています。
治安が良く、金融機関も多く、富裕層のネットワークを築きやすい点も大きな魅力。
ただし、物価と家賃は世界最高水準で、一定の金融資産を有する人向けの移住地です。
3. ポルトガル:欧州の“ゴールデンビザ”で人気上昇
ポルトガルは、非居住者向け特別税制(NHR)が人気。10年間、海外からの所得に対して税率が20%前後に抑えられます。
さらに、投資額が一定基準を超えると「ゴールデンビザ」を取得でき、シェンゲン圏を自由に行き来可能。
リスボンやポルトなどは生活コストも比較的低く、気候も温暖。欧州の中では現実的な“税制メリット+生活クオリティ”を両立できる国として支持されています。
4. マルタ:欧州で暮らせる地中海の税制ハブ
地中海に浮かぶ小国マルタは、居住プログラムによる定額課税制度が魅力です。
マルタ居住者となると、海外で得た所得のうちマルタへ送金した金額のみに課税され、
さらに税率は最大35%ですが、実際の実効税率は大幅に下がります。
EU加盟国としての信頼性があり、英語が公用語、治安も良く、投資家・クリプト業界の拠点としても人気上昇中です。
5. シンガポール:安定した金融環境と低税率
アジアの金融ハブ・シンガポールは、キャピタルゲイン税ゼロ・所得税22%以下・法人税17%。
特に投資・スタートアップ支援が手厚く、国際的な資産運用環境が整っています。
日本からのアクセスも良く、居住ビザのハードルも比較的低いため、東南アジア圏での資産分散拠点として理想的です。
まとめ
税金が安い国=必ずしも最適な移住先とは限りません。
重要なのは、税制+生活環境+ビザの取りやすさを総合的に見ること。
たとえば短期で資産を守りたいならUAEやモナコ、長期的な欧州生活を視野に入れるならマルタやポルトガル、アジアでビジネスと投資を両立するならシンガポールという具合に目的に合わせて選ぶのが賢明です。グローバル化が進む今こそ、税金を「節約する」だけでなく、資産を守り・育てるための移住戦略を考える時期に来ています。


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