世界の仮想通貨市場では、USDT(テザー)やUSDCなど米ドル建てのステーブルコインが主流です。そんな中、日本発の独自トークンとして注目を集めているのが「JPYC」。
日本円に連動したステーブルコインで、海外からは「日本の金融環境を反映したユニークなプロジェクト」として見られています。
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ステーブルコインJPYCとは?
JPYC(JPY Coin)は、日本円にペッグ(連動)した前払い式のステーブルコインです。
ERC-20(Ethereum)やPolygonなど複数のブロックチェーン上で発行され、1 JPYC = 1円の価値を持ちます。
特徴的なのは「前払式支払手段」として金融庁に登録された形で発行されている点で、既存のドル建てステーブルコインとは異なる法的枠組みで運用されています。
海外目線での3つの評価ポイント
1. 「円建てステーブルコイン」の希少性
海外市場では圧倒的にドル建てが主流であり、円連動のステーブルコインは珍しい存在です。
特にアジア圏では、為替ヘッジやクロスボーダー取引の一手段として注目されています。
2. 日本の規制に対応した透明性
JPYCは暗号資産ではなく「資金決済法上の前払式支払手段」として扱われます。
海外から見るとこれは「クリプト規制が厳しい日本で模索された実験的モデル」と映ります。
特に欧州MiCA規制などと比較して、国家ごとに異なるステーブルコインの在り方を示す事例として評価されています。
3. 利用シーンの広がり
JPYCはすでに日本国内で「Visaプリペイドカードへのチャージ」「NFT決済」「ECサイトでの利用」など、実用的なユースケースを拡大しています。
海外の投資家からは「単なるトレード用トークンではなく、日常決済に活かせるステーブルコイン」として関心を集めています。
JPYCと他のステーブルコインとの違い
項目 | JPYC | USDT / USDC |
---|---|---|
連動通貨 | 日本円 | 米ドル |
法的位置づけ | 前払式支払手段(暗号資産ではない) | 暗号資産 |
主な利用 | 決済・日常利用 | グローバル取引・投資 |
発行主体 | JPYC株式会社(日本) | Tether社 / Circle社(米国) |
海外投資家にとっては「規制環境の違い」と「ユースケースの生活密着度」が大きな差として映っています。
今後の展望
海外から見れば、JPYCは「ローカル通貨建てステーブルコイン」の実験場です。
日本円は国際決済でのシェアは限定的ですが、アジア経済圏では依然として信頼度が高い通貨。
JPYCのような円建てデジタルマネーが広がれば、旅行・越境EC・在外日本人向け送金といった領域で存在感を増す可能性があります。
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